卵の殻は、一見すると中身をしっかり閉じ込める「硬い容器」のように見えます。しかし実は、その表面には特別な仕掛けがあることをご存知でしょうか。
第29回雑学調査レポートでは、そんな「卵」に関する雑学をご紹介していきます。
卵の殻は「穴だらけ」
鶏の卵の殻は硬くて密閉されているように見えますが、実は表面に「気孔(きこう)」と呼ばれる小さな穴が無数にあります。
鶏卵1個あたりの気孔の数は、なんと約7,000~1万7,000個もあり、その大きさは卵の表面側で直径15~65マイクロメートル、内側では6~23マイクロメートルとされています。
人間の肉眼で見える限界の大きさが約50~100マイクロメートルであるため、卵殻の気孔は「人間の目でギリギリ見えないか、よほど目の良い人が光に透かしてようやく見える」といったサイズ感だと言えるでしょう。
卵殻の気孔が存在する理由は、ヒナが殻の中で育つためです。
有精卵の場合、卵の中で育つ胚は酸素を必要とし、二酸化炭素や水蒸気を殻の外に出さなければなりません。気孔はそのための”呼吸口”のような役割を担っています。
ただし、スーパーで売られている卵の大半は無精卵であるため、卵そのものが呼吸しているというよりは、空気や水分、二酸化炭素が出入りしているだけ、と考えるほうが正確です。
白く濁った卵は新鮮かもしれない
新鮮な卵を割ると、白身が少し白く濁って見えることがあります。ですが、これは卵が傷んでいるサインではなく、卵白に二酸化炭素が多く残っていることが原因で起こる現象です。
時間が経つと二酸化炭素は殻の気孔から抜けていき、白身は透明に近づいていきます。
つまり、白身が濁っている卵は、採ってからそれほど時間が経っていない新鮮な状態という可能性があるということです。
穴があるのに細菌が入らない理由
一般的な細菌の大きさは約0.5~3マイクロメートルであるため、6マイクロメートル以上ある気孔から細菌が入ってしまうと思うかもしれません。
ここで働くのが、卵殻の外側にある「クチクラ」と呼ばれる薄い保護膜です。
このクチクラは、気孔の入り口をふさぐ”栓”のように働き、細菌やほこりが中に入り込むのを防ぎます。その一方で、水分や空気の交換などはある程度許すという便利な構造をしているのです。
ちなみに、卵の表面を触るとザラザラしているのを感じ取ることができますが、これがクチクラの正体です。
ただし、クチクラは水洗いや摩擦によって簡単に取れてしまいます。家庭で保存前に卵をこすったり洗ったりしすぎると、クチクラが取れて卵が傷みやすくなってしまうため、注意する必要があります。
まとめ
- 卵の表面には約7,000~1万7,000個もの「気孔」と呼ばれる穴が空いている
- 気孔が酸素を取り込んだり、二酸化炭素や水蒸気を放出することで、ヒナは卵の中で成長できる
- 卵白が白く濁った卵は、二酸化炭素が放出されておらず新鮮な可能性がある
- 卵殻の外側にある「クチクラ」が、細菌の侵入を防いでいる
- 「クチクラ」は水洗いや摩擦によって簡単に取れる
ただの硬い容器のように見える卵の殻ですが、実際には無数の気孔によって空気や水分を調整しつつ、細菌の侵入を防ぐという、非常によくできた構造をしています。
卵は「穴だらけ」と聞くと意外に感じるかもしれませんが、その穴こそが卵を安全に保つ大切な仕組みになっているということですね。
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