競泳のロープはただの仕切りではない!?【0.01秒を左右する驚きの役割】

レーンロープの色はレーンの位置を表している

国際大会で使われるレーンロープの色は、プールを華やかに見せるためだけのものではありません。

選手や審判、観客、テレビ視聴者が、レーンの位置を識別しやすくする役割があります

World Aquaticsの2026年2月版競技規則では、オリンピックで使われる8レーンプールのレーンロープについて、次のような色の配置が定められています。

8レーンプール

8本の競技レーンを区切るには、両外側を含めて9本のレーンロープが必要です。

色の配置は次のようになります。

  • 1レーンと8レーンの外側:緑
  • 1・2レーン間、2・3レーン間、6・7レーン間、7・8レーン間:青
  • 3・4レーン間、4・5レーン間、5・6レーン間:黄色

色ごとの本数は、次のとおりです。

  • 緑:2本
  • 青:4本
  • 黄色:3本

世界選手権などで使われる10レーンプールでは、両外側を含めて11本のレーンロープが必要です。

10レーンプール

色の配置は次のようになります。

  • 0レーンと9レーンの外側:緑
  • 0・1レーン間、1・2レーン間、2・3レーン間、6・7レーン間、7・8レーン間、8・9レーン間:青
  • 3・4レーン間、4・5レーン間、5・6レーン間:黄色

色ごとの本数は、次のとおりです。

  • 緑:2本
  • 青:6本
  • 黄色:3本

中央付近に黄色のレーンロープを配置することで、中央レーンの位置が一目で分かるようになっています。

赤い部分は壁まで残り5メートルの目印

レーンロープの両端に設けられた赤い部分にも、重要な意味があります。

世界水泳連盟の規則では、プールの両端から5メートルの範囲に、赤いフロートを配置することが定められています。

選手はレーンロープの色を見ることで、壁まで残り5メートルの範囲に入ったことを確認できます。

特に背泳ぎでは、選手が上を向いているため、進行方向にある壁を直接見続けることができません。頭上に設置される背泳ぎ用のフラッグなどとともに、壁までの距離を把握するための目印になります。

プールの両端から15メートルの位置にも、周囲とは異なる色の部品が設置されます。

競泳では、スタート後とターン後に水中を進める距離が原則として最大15メートルまでと定められています。そのため、15メートル地点の色は、選手が規定の範囲内で水面へ浮き上がっているかを確認する際にも役立ちます。

50メートルプールでは、コースの中央に当たる25メートル地点にも、周囲とは異なる色の部品が設置されます。

一本のレーンロープには、次のような機能が組み込まれています。

  • 選手が泳ぐレーンを区切る
  • 隣のレーンへ伝わる波を弱める
  • 反射して戻ってくる波を弱める
  • 中央レーンと外側レーンを色で区別する
  • 壁まで残り5メートルの範囲を示す
  • スタート側とターン側から15メートルの位置を示す
  • 50メートルプールの中央地点を示す

競泳のレーンロープは、単純なロープではありません。競技の公平性や安全性を保ち、選手や審判による距離の確認を助けるために、細かく設計された競技設備です。

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