「アブラカダブラ」は治療の言葉!?【あの世界的な有名作品にも影響】

みなさん、こんにちは!

「アブラカダブラ」という言葉を一度は聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。この言葉は手品師の決まり文句や”魔法の掛け声”として有名ですが、実は古代の医療や宗教、言語文化が混ざり合って生まれた非常に興味深い言葉です。

第12回雑学調査レポートでは、そんな「アブラカダブラ」という言葉に関する雑学についてご紹介していきます。

早速見ていきましょう。

目次

古代では「呪文=医療」だった

現代において、病気は医学で治すという考え方が一般的です。しかし古代ローマや古代ギリシャでは、医学と呪術の境界が曖昧でした。

たとえば当時は、「病気は悪霊や呪いによって起こる」「特定の言葉には超自然的な力が宿る」「文字そのものに神秘的な意味がある」と信じられていました。

そのため薬草や手術、祈祷、呪文、お守りがいずれも治療法として扱われていたのです。「アブラカダブラ」は、そうした治療法の一種とされています。

「アブラカダブラ」は熱病対策だった

この呪文を有名にしたのは、古代ローマの学者・医師であるクイントゥス・セレヌス・サモニクス氏です。彼は3世紀頃の著作『Liber Medicinalis(医薬の書)』の中で、熱病に苦しむ人に対して「アブラカダブラ」を用いた治療法を勧めていました。

この治療法は、「アブラカダブラ」を三角形上に一文字ずつ減らしながら書くというものです。例として実際に書いてみると、以下のようになります。

ABRACADABRA
ABRACADABR
ABRACADAB
ABRACADA
ABRACAD
ABRACA
ABRAC
ABRA
ABR
AB
A

古代の人々は、このように文字が徐々に消えていくことで、病気や災厄も一緒に消えていくと考えていました。

また、三角形にして書くことにも特別な意味があったそうです。古代において、三角形は安定しているとされているほか、「3」という数字が神聖であること、天・地・人を示しているなど、宗教的かつ哲学的な象徴とされていました。

こうした表現を用いた治療法は、現代で言うなれば”視覚的な祈り”と捉えることができるでしょう。

「アブラカダブラ」の語源

「アブラカダブラ」の語源には複数の説がありますが、特に有力とされているのは「アラム語説」です。

アラム語では「avra kedavra」という言葉があり、これは「言った通りになる」という意味を持っています。ここで気付いた方もいるかもしれませんが、かの世界的に有名な作品『ハリー・ポッター』シリーズに登場する魔法「アバダ・ケダブラ(Avada Kedavra)1」も、この説を元に作られています。

そのほかには、ヘブライ語説やグノーシス主義由来説というものもあります。

ヘブライ語説は、「アブラカダブラ」がヘブライ語において「祝福」や「神聖な言葉」に関連しているという説です。

グノーシス主義由来説は、古代の宗教思想であるグノーシス主義において重要視された神様の「アブラクサス(Abraxas)」に関係しているという説です。

ただし、いずれも決定的な証拠はないため、今でも語源の謎は完全には解明されていません。

なぜ手品の言葉に変化したのか

中世ヨーロッパの時代を迎えると、キリスト教の影響が強まるにつれて、呪文文化が「危険な魔術」として扱われるようになります。

その結果、呪文や占星術、錬金術、護符などが禁止されるようになり、「アブラカダブラ」も治療法としての役割を失っていきました。

しかし19世紀になると、舞台マジックが人気の娯楽として発展するようになります。

その際に、”昔から有名な魔法の言葉”を使うようになり、そこで「アブラカダブラ」が手品師の定番フレーズへと変化していったのです。

まとめ

  • 古代ローマや古代ギリシャでは、呪文は医療の役割を果たしていた
  • 「アブラカダブラ」は熱病対策の治療法
  • 「アブラカダブラ」の語源はアラム語説が有力だが、完全には解明されていない
  • 舞台マジックが流行したことで、「アブラカダブラ」が手品師の決まり文句となった

「アブラカダブラ」に限らず、呪文を唱える文化は世界中に存在します。つまり、「アブラカダブラ」は特殊な文化ではなく、人類共通の”言葉への神秘感”から生まれたものだといえるでしょう。

みなさんも熱が出たときは、サモニクス氏が推奨する「アブラカダブラ」の治療法を試してみてはいかがでしょうか。

それでは次回の雑学調査レポートもお楽しみに!

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  1. 小説および映画『ハリー・ポッター』シリーズに登場する、対象を即死させる最悪の殺人魔術(死の呪詛) ↩︎

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