みなさん、こんにちは!
羊と聞くと、ふわふわの毛に包まれた、のんびりした動物を思い浮かべます。しかし、その穏やかな顔をよく見てみると、そこには意外な秘密が隠されています。
第26回雑学調査レポートでは、そんな「羊」に関する雑学をご紹介していきます。
早速見ていきましょう。
羊の目は「横長の長方形」になっている
羊を正面からよく見ると、黒目(瞳孔)が人間のような丸ではなく、横に細長い長方形のような形をしています。
これは単なる見た目の違いではなく、羊が「食べられる側」の草食動物として生き残るための視覚システムになっているのです。
実は、こうした特徴を持っているのは羊だけではありません。『UC Berkeley』の研究チームなどによれば、陸上動物214種を調べたところ、瞳孔の形と生態的な立場には強い関係があることが分かりました。
横長の瞳孔を持つ動物は、羊以外にも鹿や馬のように、目が頭の側面にあり、植物を食べる”被捕食動物”である傾向が非常に強いとされています。
横長の瞳孔が役立つ理由
羊にとって重要なのは、遠くの一点をじっと見ることよりも、周囲の地面を広く見渡すことです。捕食者は多くの場合、地面を伝って近づいてくるため、羊は前方だけでなく、横や後方の動きにも早く気付く必要があります。ここで、横長の瞳孔が役立つことになります。
横長の瞳孔は、地面と平行に広がることで、前・後ろ・横からの光が取り込みやすくなり、地表付近の広い範囲を見渡す助けとなるのです。また、上から差し込む太陽光によるまぶしさも抑えられるため、地面の様子を見やすくなる効果もあります。
さらに、羊の視覚は敵を見つけるだけではありません。
羊は敵を発見した後、素早く逃げるために走る地面の方向、障害物、段差などを把握する必要があります。『UC Berkeley』のマーティン・バンクス教授によれば、草食動物には「近づく捕食者を発見すること」と「逃げる先を見極めること」の二つの視覚的要求があるといいます。
つまり羊の横長の目は、この二つの要求を満たすために、警報装置であると同時に、逃走用のナビゲーションにもなっていると言えるでしょう。
草を食べるときも瞳は水平
羊は草を食べるときに頭を下げます。普通に考えると、頭を下げれば瞳孔も傾き、横長の瞳孔が地面と平行でなくなってしまいます。
しかし羊や馬、ヤギなどの草食動物は、頭の角度に合わせて眼球を回転させ、瞳孔が地面と水平になるように調整するのです。
研究者の観察では、羊や馬などの草食動物の眼球は片目あたり50度以上回転でき、これはなんと人間の約10倍の範囲だといわれています。
捕食者の瞳孔は真逆
ここで気付いた方もいるかもしれませんが、猫やヘビなどの待ち伏せ型の捕食者は、縦に細長い瞳孔を持つものが多くいます。縦に細長い瞳孔は、獲物までの距離を測るのに有利にはたらくためです。
一方で、羊のような被捕食動物に必要なのは、獲物を狙う精密な距離感よりも、敵の接近に早く気付くことができる広い視界という話でした。
つまり、猫のような捕食者の目は「狙うため」、羊のような非捕食者の目は「逃げるため」に適した形だと言えるでしょう。
まとめ
- 羊などの草食動物や非捕食動物の瞳孔は「横長の長方形」である傾向が強い
- 横長の瞳孔は「近づく捕食者を発見すること」「逃げる先を見極めること」のために役立つ
- 草食動物は、下を向いていても眼球が回転するため、瞳孔が地面と水平に保たれる
- 捕食者は非捕食者と異なり、縦長の瞳孔を持つものが多い
羊の瞳が横長なのは、ただ見た目が変わっているからではありません。草を食べている間でも、近づいてくる敵にいち早く気付くための大切な仕組みだったのです。
のんびりしているように見えて、実は自然の中で生き抜くための高性能な視覚システムによって、常に周囲を警戒していたということですね。
それでは次回の雑学調査レポートもお楽しみに!
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