水は「4℃」が一番重い!?【だから氷は水に浮く】

みなさん、こんにちは!

水は私たちの生活に最も身近な液体ですが、実は非常に変わった特性を持つ物質でもあります。

第15回雑学調査レポートでは、そんな「水の性質」に関する雑学をご紹介していきます。

早速見ていきましょう。

目次

水は「4℃」で最も密度が高い

多くの物質は、冷えるほど縮んで密度が高くなり、固体になると液体より重くなります。ところが、水はその性質に当てはまりません。

水は、液体の状態では約4℃で最も密度が高くなり、それより冷えると逆に膨張し始めて軽くなっていくのです。

その理由は、水分子の構造にあります。

水の分子はH2O――つまり酸素1個と水素2個から成り立っています。そして水分子同士は、「水素結合」という弱い結びつきで互いに引き合うことでくっ付きます。

通常、温度が下がることで分子の動きは弱まり、分子同士が近づくことになるため密度が上がります。これは水も同様で、4℃までは同じように動きます。

しかし水分子の場合、さらに冷えていくと、水素結合によって”すき間の多い構造”ができやすくなるのです。イメージとしては、分子が規則的に並んだ格子のような構造を作るため、分子が不規則にひしめき合った状態よりも、密度が軽くなるということです。

となると、氷が水に浮くことも説明が付きます。液体の水では、水素結合が曲がったり切れたりしながら分子が比較的詰まっている状態ですが、氷では水分子がより規則的に並び、大きな空間が生まれます。その結果、同じ質量でも氷のほうが体積が大きく、密度が小さくなる(軽くなる)のです。

私たちは普段の生活で、氷が水に浮くことを自然な現象として捉えがちですが、実際は水分子の結びつき方が特殊であるために起きている現象だったということです。

生命にとっても重要な性質

水が一定以上冷えていくと密度が軽くなるという性質は、自然界で極めて重要になってきます。

みなさんは、寒い日に湖の水がすべて凍ってしまわないか疑問に感じたことはないでしょうか。しかし実際のところ、寒い地域でそのような現象は起こりません。なぜなら、水の特性が正しく機能しているからです。

秋から冬にかけて湖の表面が冷えると、4℃までは冷えた水が重くなって沈みます。これにより湖全体がだんだん冷えていきます。しかし表面の水が4℃より冷えると、今度は軽くなるため沈みにくくなります。そして冷たい水は表面にとどまるようになり、やがて0℃付近で凍り始めます。

このため、冬の湖は上から凍り、下には4℃前後の液体の水が残ることがあります。氷の層がふたのように働くことで、下の水がさらに冷えすぎるのを防ぐのです。

もし氷が水よりも重ければ、湖は下からどんどん凍っていき、最終的に湖全体が凍ってしまいます。そうなれば、冬の湖底で暮らす魚や微生物も凍って絶滅してしまう可能性も考えられるでしょう。

つまり氷が浮く性質は、生物が冬を越すための”天然の断熱システム”になっているのです。

凍った湖の上で遊ぶ人々。しかし湖全体が凍っているわけではなく、氷の下には、液体である水が存在する。

海水は少し異なる

ここまで水は4℃が最も重いという話をしてきましたが、一つ注意しなければならないのが、これらは「淡水」に限った話だということです。淡水とは、塩分をほとんど含まない水のことを指します。

したがって、塩分を含む海水などでは、密度や凍る温度も変わってきます。

海水は淡水よりも比重が重い(密度が高い)性質があるため、川の河口などでは、海水が淡水の下に沈むような状態になります。

また『NOAA』によれば、塩分濃度が3.5%程度の海水では、約-2℃で凍るとのことです。

そのため、海の水は淡水の湖などに比べて凍りにくいといえるでしょう。

まとめ

  • 水は4℃の状態で密度が最も高くなり、それより冷えると密度が低くなる
  • 水の特殊な性質によって、湖の生物などが生きることができる
  • 塩分を含む水は、淡水に比べて密度や凍る温度も変わる

地球上のあらゆる生物にとって当たり前のように必要な「水」ですが、実際は地球の生態系を支える重要な物理現象までもが隠されていました。

こうした特殊な性質を持っていることもまた、生態系が進化していった大きな要因の一つだといえるでしょう。

それでは次回の雑学調査レポートもお楽しみに!

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