みなさん、こんにちは!
人間はほか生物と比較して、一線を画すほどの文明や言語を獲得してきました。その大きな要因の一つとして、人体のわずか2%にあたる「脳」の働きが大きいことは言うまでもありません。
第5回雑学調査レポートでは、そんな人間の「脳」に関する雑学をご紹介していきます。
早速見ていきましょう。
人間の脳は痛みを感じない
人間には「侵害受容器(nociceptor)」とよばれる痛覚センサーが備わっています。そのため皮膚や筋肉、内臓、血管などにある侵害受容器が刺激されると、人間は「痛い」と感じるようになります。
しかし人間の脳――特に脳の神経細胞(ニューロン)が集まるとされる”大脳物質”には、このセンサーが非常に少ないのです。すなわち人間の脳は極めて痛みを感じにくいようになっています。
一方で、脳を包む膜(髄膜)や脳の血管、頭皮などには侵害受容器があり、これらは痛みを感じやすくなっています。つまり私たちが日常生活で「頭が痛い」と感じる現象は、脳の痛みではなく、脳の周辺組織の痛みによるものだといえます。
脳を刺激する「覚醒下手術(かくせいかしゅじゅつ)」
脳が痛みを感じないという特徴を利用した代表例が「覚醒下手術(Awake Surgery)」と呼ばれる手術手法です。
覚醒下手術では、脳腫瘍などの摘出中に患者を一時的に麻酔から目覚めさせ、会話や手足を動かしてもらうといったことを行います。そして脳の一部を刺激することで、一時的に体のどこかが停止するかを観察して重要領域を特定します。もし「言葉が出なくなった」「右手が動かない」という反応が起きれば、脳のその部分が重要な機能を持つことが分かるため、機能を守りながら病変だけを切除できるようになります。
ちなみに脳自体には触覚もほぼありません。そのため脳外科手術では、脳を触っても患者は「触られている」とほとんど感じないようです。
脳のエネルギー消費は非常に大きい
脳は体重の約2%しかありません。しかし、消費するエネルギーはなんと全体の約20%を占めています。
つまり重量比で考えると、体の他の組織よりも約10倍のエネルギーを消費する”非常に燃費の悪い器官”といえるでしょう。特に神経細胞間の電気信号や情報伝達(シナプス活動)、イオンバランス維持などは、大量のエネルギーを消費するとされています。
また、脳は寝ている間も活動を続けており、完全に停止することがないことからも、24時間常にエネルギーを必要とする器官になるのです。
一方で、多くのエネルギー(特に酸素)を必要するため、数分間血流が止まるだけで神経細胞が損傷し始めます。
とはいえ、人間の生活がここまで発展してきたのも脳の働きがあってこそです。多くのエネルギーを消費するとはいえ、そのコストに見合うだけの価値はあるといえるかもしれません。
まとめ
- 人間の脳は「侵害受容器」が非常に少ないため痛みを感じない
- 脳が痛みを感じないことを利用した「覚醒下手術」という手術方法がある
- 脳は全体のエネルギーの約20%を消費する
人体の一部でありながら、脳が痛覚を持たないということは意外な事実でした。もし頭痛に見舞われても、それが脳によるものではなく、その周辺組織によるものだと考えると、少しは安心できるかもしれませんね。
脳は記憶や感情、思考、運動などの膨大な情報処理を休むことなく行う、いわば「極めて高性能な情報処理システム」です。人間が持つこの優れた器官に感謝して、今日もたくさんのエネルギーを脳に与えていきましょう。
それでは次回の雑学調査レポートもお楽しみに!
☆「なるほど」と思ったら押してね!☆

