猫は「甘味」を感じない!?【だけど「うま味」は人間以上】

みなさん、こんにちは!

猫がアイスクリームやケーキなどに興味を示すところを見ると、猫も人間と同様に甘いものが好きなのかと思うかもしれません。しかし実際のところ、猫は甘いものに対してどのように感じているのでしょうか。

第9回雑学調査レポートでは、そんな「猫の味覚」に関する雑学についてご紹介していきます。

早速見ていきましょう。

目次

猫は「甘味」をほとんど感じ取れない

そもそも「甘味」とはどのように感じるのでしょうか。

人間を含む多くの哺乳類は、舌の味蕾(みらい)にある「甘味受容体」によって甘さを感じています。この受容体は、主に以下の2種類のタンパク質で構成されています。

  • Tas1r2
  • Tas1r3

この2つが組み合わさることで、砂糖や果糖などの甘味物質を検知できます。

しかし猫の場合、必要なうち一方の「Tas1r2」の遺伝子が突然変異によって機能しなくなっています。これを「偽遺伝子」と呼びます。

偽遺伝子は、機能する設計図を持っているものの、正常にタンパク質を作れない状態です。実は人間の嗅覚が犬などと比較して弱いことも、偽遺伝子が関係しています。

2005年に行われた研究では、猫のDNAを解析した結果、偽遺伝子が途中で壊れていることが確認されました。そのため研究者たちは、「猫が甘味を感じないのは脳の問題ではなく、甘味受容体そのものが存在しないため」と結論づけています。

なぜ「甘味」を感じ取れなくなったのか

これは猫の食性と深く関係しています。

猫は「真正肉食動物」と呼ばれ、自然界でほぼ完全に肉だけで生きる動物です。

肉には糖分がほとんど含まれていないため、甘味を感じる能力を維持する必要がありませんでした。生物の進化において、「使わない機能」は徐々に退化することがあります。

そのため、甘味を感じないのは家猫に限った話ではありません。ライオンやトラ、ヒョウ、チーターといったネコ科動物でも、甘味受容体の欠損が確認されています。

つまり、ネコ科の祖先の段階ですでに甘味受容体が失われ、そのまま受け継がれた可能性があります。

一方で肉食であることから、猫は以下の感覚が非常に発達しています。

  • アミノ酸(うま味)
  • 脂肪の匂い
  • 動物性タンパク質の風味

特に「うま味」に対しては敏感で、人間以上に肉由来の成分を細かく識別できると考えられています。そういった意味では、猫がしばしば「美食家」と呼ばれるのも間違いではないかもしれません(実はほかの理由もありますが、それは別の記事にて…)。

「甘いもの好き」に見える理由

猫がアイスクリームや生クリーム、菓子パンなどに興味を示すことがありますが、これは甘味に惹かれているわけではありません。食品に含まれる乳脂肪分や乳タンパク、匂いなどに反応している可能性のほうが高いといえるでしょう。

特に乳脂肪は高カロリーで、肉食動物にとっては魅力的なエネルギー源になります。

ただし、猫に乳脂肪を含む食品を与える際は、かなりの配慮が必要です。先述したように高カロリーであるため肥満に繋がりやすいだけでなく、猫は「乳糖」を分解する酵素(ラクターゼ)を十分に持っていません。そのため人間用の牛乳などを摂取すると、激しい下痢(乳糖不耐症)を引き起こすおそれもあることを知っておきましょう。

まとめ

  • 猫は甘味受容体が欠損しているため、「甘味」を感じ取ることができない
  • 猫は真正肉食動物であるため、甘味を必要としなかった
  • 一方で、「うま味」に対しては人間以上に敏感
  • 猫に甘いものを与える際は細心の注意が必要

猫は肉食であることから、甘味を感じ取れないように進化していきました。そのため、雑食である犬は甘味受容体を保持している――つまり甘いものを「甘い」と認識できるようです。

こうした違いから、同じペットとして愛される動物同士でも、進化の方向性が大きく異なるのは非常に興味深いといえるでしょう。これからの数百年、数千年後、猫だけでなく人間においても、生きていく中で使わない機能がどのように消えていくのか気になるところです。

それでは次回の雑学調査レポートもお楽しみに!

☆「なるほど」と思ったら押してね!☆

送信中です

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この雑学をもっと広めよう!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次